住宅ローン・金利

変動金利の見直しは年2回とは限らない ― 同じ利上げが届くまで最長10か月

2026年9月18日、三菱UFJ銀行が短期プライムレートの引き上げを発表しました。 これを受けて同行は「2026年12月1日より住宅ローンの変動金利の基準金利を見直し」すると告知しています。

ところが、この引き上げが毎月の引き落としに現れる月は、同じ銀行の中で2つに分かれます。

金利の種類直近の金利見直しの基準日新利率の適用開始日
変動金利(毎月型)2026年12月1日2027年1月の返済日の翌日(2027年2月の約定返済分より反映)
変動金利(年2回型)2027年4月1日2027年6月の返済日の翌日(2027年7月約定返済分より反映)
三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」(2026年12月から変更)の4列の表から、左の3列(金利の種類/直近の金利見直しの基準日/新利率の適用開始日)を引いたもの。残る1列は「(新利率)「ご返済のお知らせ」の発行時期」で、⑤で扱う。

同じ発表、同じ銀行で、反映される月が5か月ずれています。

結論

「変動金利の見直しは年2回」は、もう全員に当てはまる説明ではありません。

見直しの頻度は商品の性質ではなく、借りた銀行と、借りた時期で決まる契約の定めです。毎月見直す銀行があり、半年ごとの銀行があり、同じ銀行の中で契約の種類が分かれていることもあります。

そして混同しやすい日が3つあります。 銀行が新しい基準金利を決める日、新しい利率が適用され始める日、新しい返済額が実際に引き落とされる回。この3つは別の日で、間に数か月が入ります。「金利が上がる」という報道を見た月に自分の引き落としが変わるわけではありません。

通知は来ます。ただし来るのは反映の直前です。 発表から通知までのあいだ、自分がいつ・どれだけ影響を受けるのかを知る手段は、銀行の告知ページを自分で見に行くことだけです。

ここで差がつくのは、据え置きの有無ではありません。 元利均等返済で5年ルールの対象なら、どちらの型でも返済額そのものは当面変わりません。変わるのは内訳で、利息が増え始める月がずれます。

以下、三菱UFJ銀行の告知5本を原文で並べて、ずれが広がってきたことを確認します。

計算の前提

項目置いた条件根拠
対象の銀行三菱UFJ銀行(告知5本)/三井住友銀行/auじぶん銀行/フラット35いずれも公開ページで見直しの定めを明記している
取得日2026年10月9日本記事の執筆日
月数の数え方発表日の属する月から、反映される約定返済分の月までの月数約定返済日は契約ごとに違うため、月単位で数えた
短期プライムレート最頻値 年2.375%(実施日2026年8月3日)日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移」
計算scripts/calc-hendo-kinri-minaoshi-jiki.py出力を転記
本記事で見直し時期を扱わない銀行があります。 みずほ銀行・りそな銀行・イオン銀行の住宅ローンのページは、2026年10月9日の時点でブラウザの User-Agent を付けても403が返り、内容を確認できませんでした。住信SBIネット銀行とPayPay銀行は商品ページを取得できましたが、既存の契約について変動金利をいつ見直すかは書かれていません(住信SBIネット銀行の「金利は毎月見直しを行い、金利情勢の変動などによっては月中に変更する場合があります」は、新規に借り入れる人へ適用する金利の話です)。定めが読み取れないことは定めが無いことを意味しないので、これらの銀行の見直し時期は本記事では扱いません。

① 三菱UFJ銀行は2024年10月から「毎月」見直しになりました

まず、頻度そのものが変わっています。 2024年7月31日の短期プライムレート引き上げに対応する告知には、こう書かれています。

2024年10月1日以降に当行住宅ローンをお借り入れの方

2024年10月の基準金利は、2024年9月30日に発表します。 以降、毎月1日を基準日とし変動金利の基準金利を見直します。

同じ文は、以後の告知4本すべてに入っています。 日付が2025年4月、2026年3月、2026年9月、2026年12月に置き換わるだけです。

一方、それより前に借りた人の扱いは別に書かれています。

2024年9月30日以前に当行住宅ローンをお借り入れの方

ご契約の住宅ローンの変動金利の種類によって、見直し時期が異なります。 金利の種類は「ご返済のお知らせ」にてご確認いただけます。

ここで契約が「毎月型」と「年2回型」に分かれます。 そして告知の表は、この2つに別々の基準日と適用開始日を書いています。

さらに例外が2つ明記されています。「2005年12月以前に旧三和銀行・旧UFJ銀行でお借り入れの場合」と「2008年12月12日以前に旧三菱東京UFJ銀行で『ローン契約書』を締結した場合」は、固定金利特約期間終了時に変動金利を選択すると「上記の金利見直しルールと異なります」とされています。合併前の契約は、別のルールが残っているということです。

② 基準日のずれは、2026年3月から始まりました

告知5本の表を並べると、ずれが途中から出ていることが分かります。

告知短期プライムレート引き上げの発表毎月型の基準日年2回型の基準日基準日のずれ
2024年10月から変更2024年7月31日2024年10月1日2024年10月1日0日
2025年4月から変更2025年1月24日2025年4月1日2025年4月1日0日
2026年3月から変更2025年12月19日2026年3月1日2026年4月1日31日
2026年9月から変更2026年6月16日2026年9月1日2026年10月1日30日
2026年12月から変更2026年9月18日2026年12月1日2027年4月1日121日

最初の2本は、基準日が同じでした。 見直しが始まる月が10月と4月だったため、年2回型の基準日(4月1日・10月1日)とちょうど重なっていたからです。

3本目からずれます。 見直しが始まる月が3月・9月・12月になり、年2回型の基準日とずれました。

年2回型の基準日が4月1日と10月1日しかないことは、告知5本ではなく別のページに書かれています。

変動金利(毎月型)は毎月1日時点の当行短期プライムレートを基準日とし、金利を見直します。 見直し後の金利は、翌月の返済日の翌日から適用します。

変動金利(年2回型)は毎年4月1日・10月1日の当行短期プライムレートを基準日とし、金利を見直します。 見直し後の金利は、それぞれ6月・12月の返済日の翌日から適用します。

だから5本目がとくに長くなります。 12月1日に年2回型の基準日は無いため、次の4月1日まで4か月待つことになります。

同じページに、実際に動いた基準金利(店頭表示金利)も載っています。2009年4月〜2024年9月が年2.475% で、以降 2.625%(2024年10月1日)→2.875%(2025年4月1日)→3.125%(2026年3月1日)→3.375%(2026年9月1日)。4回で合計0.90% 上がりました。年2回型も同じ値に動きますが、基準日が2024年10月1日・2025年4月1日・2026年4月1日・2026年10月1日なので、届く時期だけが違います。

③ 発表から新しい利率が返済に反映されるまで、毎月型は5か月。年2回型は6か月から10か月に伸びました

ここが本題です。 発表日の属する月から、新利率が反映される約定返済分の月までを数えます。

告知発表毎月型の反映月数年2回型の反映月数差
2024年10月から変更2024年7月31日2024年12月5か月2025年1月6か月1か月
2025年4月から変更2025年1月24日2025年6月5か月2025年7月6か月1か月
2026年3月から変更2025年12月19日2026年5月5か月2026年7月7か月2か月
2026年9月から変更2026年6月16日2026年11月5か月2027年1月7か月2か月
2026年12月から変更2026年9月18日2027年2月5か月2027年7月10か月5か月

毎月型は5回とも5か月で揃っています。 毎月見直すので、発表から反映までの手順の長さが一定になるためです。

年2回型は6か月・6か月・7か月・7か月・10か月と伸びました。 基準日が年2回しかないので、発表の時期によって待ち時間が変わります。

62024/1024年7月発表62025/425年1月発表72026/325年12月発表72026/926年6月発表102026/1226年9月発表
2024/1024年7月発表2025/425年1月発表2026/325年12月発表2026/926年6月発表2026/1226年9月発表
毎月型に届くまで55555
年2回型はさらに11225
合計667710

下の濃い帯はどの棒も高さが同じ5か月です。毎月見直す側は、発表から新しい利率が返済に反映されるまでの長さが5回とも変わりませんでした。伸びているのは上の帯、つまり年2回型が追加で待つ分です。1か月・1か月・2か月・2か月と来て、いちばん右で5か月に跳ねています。

三菱UFJ銀行の告知5本について、短期プライムレート引き上げの発表の月から、新利率が反映される約定返済分の月までの月数。各告知の表の「直近の金利見直しの基準日」「新利率の適用開始日」から数えた。

同じ銀行で同じ商品を借りていても、契約の種類が違えば、金利が上がった影響が出始める月が半年近くずれるということです。

返済額そのものは、5年ルールの対象なら当面変わりません。 変わるのは内訳です。利息が増え始める月がずれるため、同じ期間で見ると元金の減り方に差が出ます。内訳がどう入れ替わるかは「住宅ローンの5年ルール ― 金利が上がっても返済額が変わらない理由」で計算しています。

発表から「見直しを始める日」までは、どの回も2か月あまり

反映までの差とは別に、発表から見直しが始まる日までの間隔は安定しています。

告知発表日見直し開始日日数
2024年10月から変更2024年7月31日2024年10月1日62日
2025年4月から変更2025年1月24日2025年4月1日67日
2026年3月から変更2025年12月19日2026年3月1日72日
2026年9月から変更2026年6月16日2026年9月1日77日
2026年12月から変更2026年9月18日2026年12月1日74日

62日から77日の幅に収まっています。 発表を見た時点で、基準金利が動くのは約2か月後だと見ておけば大きく外れません。外れるのはその先、つまり自分の返済額に届くまでの部分です。

④ 他の銀行はどう書いているか

「年2回」と明記している銀行もあります。 三井住友銀行は住宅ローンの変動金利型について、こう説明しています。

変動金利は半年ごとに金利が見直されます。

新規ご融資利率は、当行所定の短期プライムレートに連動する長期貸出金利を基準とする利率にて決定します。ご融資期間中は年2回金利の見直しを行います。

auじぶん銀行は、基準日と適用開始日まで書いています。

お借入後、年2回(4月1日、10月1日)の基準日に、借入金利の見直しを行います。 4月1日基準日で決定する新借入金利は、同年6月の約定返済日の翌日から、10月1日基準日で決定する新借入金利は、同年12月の約定返済日の翌日から適用します。ただし、金融情勢などにより基準金利が大幅に変動した場合には、それ以外の日に見直すことがあります。

最後の一文が重要です。 「年2回」と書いてあっても、それ以外の日に見直すことがあると留保が付いています。年2回は上限や保証ではありません。

フラット35は、見直しそのものがありません。

民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。

借入先見直しの頻度基準日原文に例外の記載
三菱UFJ銀行(2024年10月1日以降の借入)毎月毎月1日合併前の契約について別ルールの記載あり
三菱UFJ銀行(2024年9月30日以前の借入)契約の種類による(毎月型/年2回型)告知のたびに表で公表同上
三井住友銀行(変動金利型)年2回(半年ごと)公開ページに記載なし—
auじぶん銀行年2回4月1日・10月1日「それ以外の日に見直すことがあります」
フラット35見直しなし(全期間固定)——
三井住友銀行の公開ページには「年2回」と「半年ごと」の記載はありますが、基準日が何月何日かは書かれていません(2026年10月9日に確認)。auじぶん銀行のように基準日まで書いている銀行と、書いていない銀行があります。

⑤ 通知が来るのは、反映の直前です

三菱UFJ銀行の告知は、「ご返済のお知らせ」の発行時期も表に入れています。

告知毎月型の反映毎月型の通知年2回型の反映年2回型の通知
2024年10月から変更2024年12月分11月上旬頃2025年1月分11月上旬頃
2025年4月から変更2025年6月分5月上旬頃2025年7月分5月上旬頃
2026年3月から変更2026年5月分2026年4月上旬頃2026年7月分2026年5月上旬頃
2026年9月から変更2026年11月分2026年10月上旬頃2027年1月分2026年11月上旬頃
2026年12月から変更2027年2月分2027年1月上旬頃2027年7月分2027年5月上旬頃

いちばん下の行を見てください。 2026年9月18日に発表された引き上げについて、年2回型の人に通知が届くのは2027年5月上旬頃です。発表から約8か月後です。

新利率に変更後の返済額や内訳を知りたい。

「ご返済のお知らせ」にて確認できます。 新利率の「ご返済のお知らせ」の発行時期は上記のスケジュールを参照ください。

通知を待つ姿勢だと、8か月のあいだ自分の状況が分かりません。 短期プライムレートの引き上げが発表された時点で告知を見に行けば、反映月も通知の時期も表に書いてあります。

三菱UFJ銀行の告知は毎回新しいURLで公開されます(hendoukinri.html、hendoukinri2.html…と連番)。次の告知のURLを先に推測して開いても、まだ存在しません。 住宅ローンのトップページの「住宅ローンに関するお知らせ」から辿るのが確実です。本記事の執筆時点では、この一覧の先頭が「【2026年12月から変更】変動金利の基準金利見直しについて」でした。

⑥ 5年ルールの5年は、見直しの基準日から数えません

混同しやすい最後の点です。 告知の「毎月の返済額は変更になりますか?」という欄に、こう書かれています。

変動金利かつ元利均等返済で借入中の場合、10月1日を基準とした5年間は返済額に変更はありません(返済額の元金分と利息分の割合は変わります)。

基準金利の見直しが毎月1日になっても、5年を数える起点は10月1日です。

そして、数え方と「実際に返済額が変わる月」が別に定められています。 同じ三菱UFJ銀行の金利見直しルールのページに、5年ルールの注としてこう書かれています。

10月1日を1回経過する毎に1年経過したものとみなします。 返済額は、5回目の10月1日を基準とした利率で見直し、その翌年1月以降最初の返済分から変更します。

2つとも読み落としやすい点です。 第1に、経過年数は借入日からの満年ではなく10月1日を通過した回数で数えます。9月に借りた人はその翌月の10月1日で1年経過とみなされるため、5回目の10月1日は借入から4年1か月ほどで来ます。第2に、返済額が変わるのは10月ではありません。 5回目の10月1日の利率で計算し直した新しい返済額は、その翌年1月以降の最初の返済分から引き落とされます。見直しの基準日と、返済額が実際に動く月は、ここでも別です。

auじぶん銀行も起点の書き方は同じです。

お借入後5回目の10月1日を基準日とする借入金利の見直しを行うまで返済額を一定のままとします。 この期間中、借入金利に変更があった場合も返済額は一定のまま、その内訳である元金と利息の金額が各々変更となります。以降5年ごとに返済額の見直しを行います(これを5年ルールといいます)。

つまり、見直しの日は3層になっています。

層何が変わるか頻度
基準金利の見直し銀行の基準金利毎月1日(三菱UFJ銀行の2024年10月以降の借入)
適用金利の変更自分に適用される利率上と同じか、契約の型による
返済額の見直し毎月の引き落とし額5年ごと(10月1日起点)

金利が毎月見直されるようになっても、返済額が毎月変わるわけではありません。 据え置かれているあいだに増えた利息は消えず、内訳の中で元金を押し下げます。

125%ルールについても、auじぶん銀行は「お借入後5回目の10月1日を基準とした見直しにて毎回の返済額を再計算しますが、借入金利が上昇し返済額が増額となった場合でも、それまでの返済額の125%を超えることはありません」としています。三菱UFJ銀行は「元金均等返済の場合は5年ルール・125%ルールはありません」と明記しています。 元金均等返済では、上がった月から返済額に出ます。

あなたの数字で確かめる手順

順番に3つ調べれば、自分の金利がいつ動くかが分かります。

① 自分の契約が毎月型か年2回型かを確認する。

三菱UFJ銀行の場合、告知は「金利の種類は『ご返済のお知らせ』にてご確認いただけます」としています。他の銀行では、金銭消費貸借契約証書と商品説明書に見直しの定めが書かれています。ここが分からないと、以下の計算ができません。

② 借入先の告知ページで、直近の基準日と反映月を読む。

読むのは3つの列です。直近の金利見直しの基準日/新利率の適用開始日/新利率が反映される約定返済分。 三菱UFJ銀行の告知では、この3つが毎月型と年2回型で別の行になっています。自分の行だけを見ます。

③ 反映月を自分の返済予定表に当てる。

反映される約定返済分の月 - 今月 = 内訳が変わるまでの月数

2026年10月の時点で、2026年9月18日発表分について当てはめると、毎月型は4か月後(2027年2月分)、年2回型は9か月後(2027年7月分)になります。

④ 5年ルールの満了月を別に数える。

起点は10月1日です。三菱UFJ銀行は「10月1日を1回経過する毎に1年経過したものとみなします」としているので、借入日からの満年ではなく、10月1日を何回通過したかを数えます。 借入後5回目の10月1日が最初の返済額の見直しです。

借入後5回目の10月1日 = 返済額を計算し直す基準日
その翌年1月以降の最初の返済分 = 新しい返済額が実際に引き落とされる回

②で出した月と混ぜないでください。 内訳が変わる月と、返済額が変わる月は別です。そして返済額が変わるのは10月ではなく、翌年1月以降の最初の返済分からです。

⑤ 元利均等か元金均等かを確認する。

元金均等返済なら5年ルール・125%ルールがないため、②で出した月から返済額そのものが動きます。

適用金利が上がり続けると、利息が返済額を超えて未払利息が出る水準に近づきます。その水準を自分で計算する手順は「未払利息とは何か ― 発生する金利水準を自分で計算する」にあります。

まとめ

  • 「変動金利の見直しは年2回」は、全員に当てはまる説明ではない。 三菱UFJ銀行は2024年10月1日以降の借入について「以降、毎月1日を基準日とし変動金利の基準金利を見直します」としている
  • 同じ銀行の中でも、2024年9月30日以前の借入は「毎月型」と「年2回型」に分かれる。 告知の表は、この2つに別々の基準日と適用開始日を書いている
  • 基準日のずれは2026年3月から始まった。 最初の2本(2024年10月・2025年4月)は毎月型と年2回型の基準日が同じ日だったが、3本目から31日・30日とずれ、2026年12月から変更の分では121日ずれている
  • 発表から新しい利率が返済に反映されるまで、毎月型は5回とも5か月。年2回型は6か月・6か月・7か月・7か月・10か月と伸びた。(元利均等返済で5年ルールの対象なら、ここで変わるのは返済額ではなく内訳) 2026年9月18日発表分では、毎月型が2027年2月の約定返済分、年2回型が2027年7月の約定返済分
  • 発表から見直し開始日までは62日から77日で安定している。ずれるのはその先
  • 他行は書きぶりが違う。 三井住友銀行は「半年ごと」「年2回」(基準日は公開ページに記載なし)、auじぶん銀行は「年2回(4月1日、10月1日)」と明記したうえで「それ以外の日に見直すことがあります」という留保を付けている。フラット35は全期間固定で見直しがない
  • 通知は反映の直前に来る。 2026年9月18日発表分の「ご返済のお知らせ」は、年2回型で2027年5月上旬頃。発表から約8か月後なので、待つだけでは状況が分からない
  • 5年ルールの5年は、見直しの基準日からは数えない。 起点は10月1日で、三菱UFJ銀行もauじぶん銀行も原文でそう書いている。金利の見直しが毎月になっても、返済額の見直しは5年ごと
  • その5年は「10月1日を通過した回数」で数え、返済額が変わるのは10月ではない。 三菱UFJ銀行は「10月1日を1回経過する毎に1年経過したものとみなします」「返済額は、5回目の10月1日を基準とした利率で見直し、その翌年1月以降最初の返済分から変更します」としている。9月に借りた人は5回目の10月1日が借入から約4年1か月で来る
  • 元金均等返済には5年ルール・125%ルールがない。 三菱UFJ銀行が明記している。据え置かれないかわりに、上がった月から返済額に出る

よくある質問

変動金利の見直しは年2回だと聞きました。いまもそうですか。

銀行によって違い、同じ銀行でも契約した時期によって違います。三菱UFJ銀行は2024年10月1日以降に借り入れた住宅ローンについて「以降、毎月1日を基準日とし変動金利の基準金利を見直します」としており、年2回ではありません。2024年9月30日以前に借り入れた人は「ご契約の住宅ローンの変動金利の種類によって、見直し時期が異なります」とされ、「変動金利(毎月型)」と「変動金利(年2回型)」に分かれます。一方、三井住友銀行は住宅ローンの変動金利型について「変動金利は半年ごとに金利が見直されます」「ご融資期間中は年2回金利の見直しを行います」としています。auじぶん銀行は「お借入後、年2回(4月1日、10月1日)の基準日に、借入金利の見直しを行います」と基準日まで明示したうえで、「ただし、金融情勢などにより基準金利が大幅に変動した場合には、それ以外の日に見直すことがあります」という例外を付けています。つまり「年2回」は商品の性質ではなく、契約ごとの定めです。自分の契約がどれかは、三菱UFJ銀行の場合「ご返済のお知らせ」で確認できるとされています。

「基準日」と「適用開始日」と「反映される返済分」は何が違うのですか。

3つとも別の日です。基準日は銀行が新しい基準金利を決める日、適用開始日はその新しい利率が適用され始める日、反映される返済分は新しい利率で計算した返済額が実際に引き落とされる回です。三菱UFJ銀行の2026年9月18日発表分の告知を例にすると、変動金利(毎月型)は基準日が2026年12月1日、新利率の適用開始日が2027年1月の返済日の翌日、反映されるのが2027年2月の約定返済分です。同じ告知で変動金利(年2回型)は基準日が2027年4月1日、適用開始日が2027年6月の返済日の翌日、反映されるのが2027年7月の約定返済分です。「2026年12月に金利が上がる」という理解だと、実際に引き落としが変わる月を取り違えます。毎月型なら2か月あと(2027年2月分)、年2回型なら7か月あと(2027年7月分)です。なお元利均等返済で5年ルールの対象になっている場合、返済額そのものは変わらず、元金と利息の内訳だけが変わります。

同じ銀行なのに、なぜ契約の種類で5か月もずれるのですか。

基準日そのものがずれているからです。三菱UFJ銀行の告知を5本さかのぼって並べると、2024年10月から変更の分と2025年4月から変更の分では、毎月型と年2回型の基準日が同じ日(それぞれ2024年10月1日、2025年4月1日)でした。差が出ていたのは適用開始日だけで、反映月の差は1か月でした。ところが2026年3月から変更の分では毎月型が2026年3月1日、年2回型が2026年4月1日と基準日が1か月ずれ、2026年12月から変更の分では毎月型が2026年12月1日、年2回型が2027年4月1日と4か月ずれています。年2回型の基準日は4月1日と10月1日の2つしかありません(同行の金利見直しルールのページに「変動金利(年2回型)は毎年4月1日・10月1日の当行短期プライムレートを基準日とし、金利を見直します」と書かれています)。そのため12月1日に見直す回には年2回型の基準日が存在せず、次の4月1日まで待つことになります。この結果、発表から反映までが毎月型は5か月、年2回型は10か月になりました。

金利が上がったという通知は、いつ来るのですか。

反映の直前です。三菱UFJ銀行の告知は「ご返済のお知らせ」の発行時期を表で示しており、2026年9月18日発表分では毎月型が2027年1月上旬頃、年2回型が2027年5月上旬頃とされています。いずれも新利率が反映される約定返済分(毎月型2027年2月、年2回型2027年7月)の1〜2か月前です。つまり、短期プライムレートの引き上げが発表された時点では個別の通知は来ず、自分の返済額の内訳がどう変わるかは、反映の直前に届く「ご返済のお知らせ」で初めて分かります。発表から通知までの数か月は、銀行の告知ページを自分で見に行くしかありません。三菱UFJ銀行の場合、告知は毎回新しいURL(hendoukinri5.html など)で公開されるため、住宅ローンのトップページの「住宅ローンに関するお知らせ」から辿るのが確実です。

5年ルールの5年は、この基準日から数えるのですか。

違います。別の日から数えます。三菱UFJ銀行の告知は、返済額が変わるかどうかを説明する欄で「変動金利かつ元利均等返済で借入中の場合、10月1日を基準とした5年間は返済額に変更はありません(返済額の元金分と利息分の割合は変わります)」としています。基準金利の見直しの基準日(毎月型なら毎月1日)とは別に、5年を数える起点として10月1日が置かれているということです。auじぶん銀行も「お借入後5回目の10月1日を基準日とする借入金利の見直しを行うまで返済額を一定のままとします。この期間中、借入金利に変更があった場合も返済額は一定のまま、その内訳である元金と利息の金額が各々変更となります。以降5年ごとに返済額の見直しを行います」としており、同じく10月1日が起点です。さらに三菱UFJ銀行は、同じ5年ルールの注で「10月1日を1回経過する毎に1年経過したものとみなします」「返済額は、5回目の10月1日を基準とした利率で見直し、その翌年1月以降最初の返済分から変更します」としています。経過年数は借入日からの満年ではなく10月1日を通過した回数で数えるため、9月に借りた人は5回目の10月1日が借入から約4年1か月で来ます。また、計算し直した新しい返済額が引き落とされるのは10月ではなく、その翌年1月以降の最初の返済分からです。したがって金利の見直しが毎月になっても、返済額の見直しが毎月になるわけではありません。

元金均等返済や固定金利なら、この話は関係ありませんか。

関係し方が変わります。三菱UFJ銀行の告知は「元金均等返済の場合は5年ルール・125%ルールはありません」としています。元金均等返済では毎月返す元金が一定なので、金利が上がればその分だけ返済額が増えます。据え置かれないかわりに、上がった月から返済額に出ます。全期間固定金利の場合は見直しそのものがありません。フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「最長35年の全期間固定金利の住宅ローン」で、借入時に決まった金利が完済まで続きます。固定金利特約型(当初10年固定など)は、特約期間中は見直されませんが、期間が終わると変動金利になるか新しい固定金利を選ぶことになり、そこで一度に金利が切り替わります。見直しが来ないのではなく、まとめて来るということです。

自分の銀行の告知が見つからないときは、どうすればいいですか。

契約書類と返済予定表に戻るのが確実です。本記事では三菱UFJ銀行・三井住友銀行・auじぶん銀行の公開ページを原文で確認しました。一方、みずほ銀行・りそな銀行・イオン銀行は2026年10月9日の時点で住宅ローンのページを取得できず(403が返ります)、住信SBIネット銀行とPayPay銀行は取得できたものの既存契約の見直し時期が書かれていませんでした。書かれていないことは定めが無いことを意味しないので、記事では各行の見直し時期を推測していません。確認すべき項目は3つです。第1に見直しの頻度と基準日(年2回なら何月何日か、毎月なら何日か)、第2に新利率がどの返済分から反映されるか、第3に5年ルール・125%ルールの適用の有無とその起点です。この3つは金銭消費貸借契約証書と商品説明書に書かれており、見つからない場合は借入先に問い合わせて確認してください。

出典

制度の内容は改正されることがあります。判断の際は必ず出典元の最新情報をご確認ください。