税金

食料品の消費税1%、何が対象で何が対象外か ― 8%・10%のまま残るもの

2026年(令和8年)8月5日、政府は「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針」を閣議決定しました。飲食料品の消費税は、「4.制度の経過措置(つなぎ)」の(3)に、①と②の二つに分けて書かれています。

① 足下の物価高に鑑み、できる限り早期に対応を講ずる観点から、令和9年4月1日から2年間、軽減税率の対象となっている飲食料品に係る消費税率を1%とする。

➁ あわせて、(略)飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲内で、現時点で公的機関が保有する所得情報を活用した「所得に連動したきめ細かな給付」を令和9年度に導入する。

これらの取組により、全体として飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化を実現する

本記事が扱うのは①だけです。②の給付は所得に連動するため、いくら受け取れるかは世帯によって変わり、閾値も給付額も「恒久財源の確保と併せて検討する」段階にあります。 以下の計算には②を含めていません。

①で注目すべきは「軽減税率の対象となっている」という限定です。 何を1%にするかを新しく定義し直してはいません。いま8%が適用されているものが、そのまま1%になるという書き方です。

いま2027年4月1日から
軽減税率の対象の飲食料品8%1%
軽減税率の対象の新聞8%8%のまま
それ以外(外食・酒類・日用品など)10%10%のまま
期間は2027年(令和9年)4月1日から2年間。2026年9月8日時点で、この引き下げの根拠となる法律はまだ成立していません。財務省「これまでに決定した消費税に関する法律等」の最も新しい項目は令和元年10月1日で、今回の引き下げの記載はありません。同省が公表している国会提出法案の一覧も最新は第221回国会(令和8年2月20日〜)で、そこに消費税率に関する法律案はありません。閣議決定された基本方針の段階です。

つまり「食料品が1%になる」という言い方は、二重に不正確です。 食料品でも1%にならないものがあり、食料品でなくても1%になるものがあります。

結論

下がるのは、いま軽減税率が適用されているものだけです。 標準税率のものが下がるわけではありません。外食と酒類は、引き下げの前も後も標準税率のままで、今回の措置とは無関係です。

そして軽減税率の線引きは、「食べ物かどうか」で引かれていません。 判定は四つの条件を順に当てはめて行います。食品表示法の「食品」に当たるか。酒税法の「酒類」に当たらないか。飲食設備のある場所で飲食させる役務ではないか。相手方の指定した場所で加熱・調理・給仕を伴う提供ではないか。この四つを通ったものが、いまの軽減税率の対象です。

だから、食べ物なのに対象外のものと、そのままでは食べられないのに対象になるものが、どちらも出てきます。 直感で判定すると外れます。

さらに、同じ商品を買っても、渡し方によって適用される税率が変わります。 何を買うかだけでは決まりません。

そして軽減税率のもう一方の対象である新聞は、引き下げの対象に入っていません。 引き下げが実施されれば、店頭で目にする税率は三つになります。

家計への効き方は、食費の総額では決まりません。 決めるのは、そのうちいくらが「いま軽減税率で買われているか」です。以下、その割合を実績データで出します。

計算の前提

家計への影響は、総務省統計局の家計調査の実績値で計算します。仮定の家計ではなく、実際に公表されている支出額を使います。

項目条件
データ総務省統計局「家計調査(家計収支編)詳細結果表 第4-6表」2025年
世帯二人以上の世帯のうち勤労者世帯、世帯主の年齢階級別
分類品目分類(用途分類ではない)
金額1世帯当たり年間の支出金額(円)
税率の前提税抜価格は変わらないものとする
現在の税率軽減税率8%(うち消費税6.24%、地方消費税1.76%)

主に使うのは世帯主40〜49歳の欄です。同じ表によると、この層は世帯人員が3.74人と最も多く、18歳未満の世帯員が1.54人います。学校給食の支出が最も大きいのもこの層です。

項目年間(円)
消費支出4,243,468
食料1,244,308
 うち酒類43,609
 うち外食284,849
  うち一般外食259,149
  うち学校給食25,700
 うち上記以外の食料915,850
(参考)新聞8,179
(参考)上下水道料66,583
税抜価格が変わらないとすると、税込価格は 1.01 ÷ 1.08 = 0.935185、つまり6.48%下がります。これが税率引下げ(①)だけを見たときの効果の上限です。 閣議決定は、これとは別に②の給付を組み合わせるとしています。

線引きは四つの条件で決まる

軽減税率の対象は、消費税法別表第一に二つだけ挙げられています。第一号が飲食料品、第二号が新聞です。飲食料品の定義は次のとおりです。

飲食料品(食品表示法(平成二十五年法律第七十号)第二条第一項(定義)に規定する食品(酒税法(昭和二十八年法律第六号)第二条第一項(酒類の定義及び種類)に規定する酒類を除く。以下この号において単に「食品」という。)をいい、食品と食品以外の資産が一の資産を形成し、又は構成しているもののうち政令で定める資産を含む。(略))の譲渡(次に掲げる課税資産の譲渡等は、含まないものとする。)

そして「次に掲げる」として、イとロの二つが除かれます。

飲食店業その他の政令で定める事業を営む者が行う食事の提供(テーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいい、当該飲食料品を持帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡は、含まないものとする。)

課税資産の譲渡等の相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供(老人福祉法(略)に規定する有料老人ホームその他の人が生活を営む場所として政令で定める施設において行う政令で定める飲食料品の提供を除く。)

この構造を順番どおりに読むと、判定は次の四段階になります。

段階問い外れると
1食品表示法の「食品」か(=人の飲用又は食用に供されるものか)10%
2酒税法の「酒類」ではないか10%
3飲食設備のある場所で飲食させる役務(イ)ではないか10%
4相手方の指定場所での加熱・調理・給仕を伴う提供(ロ)ではないか10%

四つすべてを通ったものだけが1%になります。 段階1と2は「その物が何か」の話、段階3と4は「どう渡すか」の話です。性質の違う二種類の条件が重なっているところが、この制度の分かりにくさの正体です。

なお、国税庁は「軽減税率が適用される取引か否かの判定は、事業者が課税資産の譲渡等を行う時、すなわち、飲食料品を提供する時点(取引を行う時点)で行う」としています。判定は買う瞬間に確定し、後から使い道が変わっても税率は動きません。

食べ物なのに10%、食べ物でないのに1%

段階1と2で分かれるものを、国税庁のQ&A(個別事例編・令和8年4月改訂)の原文で並べます。

もの税率根拠(Q&Aの原文)
ミネラルウォーター1%「人の飲用又は食用に供されるものであるいわゆるミネラルウォーターなどの飲料水は、『食品』に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります」
水道水10%「水道水は、炊事や飲用のための『食品』としての水と、風呂、洗濯といった飲食用以外の生活用水として供給されるものとが混然一体となって提供されており、(略)軽減税率の適用対象となりません」
食用の氷1%「かき氷に用いられる氷や飲料に入れて使用される氷などの食用氷は、『食品』に該当し」
保冷用の氷・ドライアイス10%「ドライアイスや保冷用の氷は、人の飲用又は食用に供されるものではなく、『食品』に該当しない」
本みりん10%「酒税法に規定する『みりん』の販売は、軽減税率の適用対象となりません」
みりん風調味料・料理酒1%「料理酒などの発酵調味料(アルコール分が一度以上であるものの塩などを加えることにより飲用できないようにしたもの)やみりん風調味料(アルコール分が一度未満のもの)については、酒税法に規定する酒類に該当せず、『飲食料品』に該当します」
ノンアルコールビール・甘酒1%「ノンアルコールビールや甘酒など酒税法に規定する酒類に該当しない飲料については、(略)軽減税率の適用対象となります」
栄養ドリンク(医薬部外品)10%「医薬品等に該当する栄養ドリンクの販売は軽減税率の適用対象となりません」
特定保健用食品・栄養機能食品1%「特定保健用食品、栄養機能食品は、医薬品等に該当しませんので、『食品』に該当し」
ペットフード・家畜の飼料10%「人の飲用又は食用に供されるものではない牛や豚等の家畜の飼料やペットフードは、『食品』に該当せず」
食品添加物(食品衛生法)1%「食品表示法に規定する『食品』とは、全ての飲食物をいい、(略)食品衛生法に規定する『添加物』を含むものとされています」
種もみ・果物の苗木10%「『種もみ』として販売されるもみは、『食品』に該当せず」「果物の苗木など栽培用として販売される植物及びその種子は、『食品』に該当せず」

「食べられるかどうか」ではなく「人の飲用又は食用に供されるものとして売られているか」が基準です。 重曹のように食用と清掃用の両方に使えるものは、食品添加物として食品表示法の表示をして売っていれば1%になります。同じ物でも、売り方で税率が変わります。

酒類の定義は酒税法第2条第1項です。Q&Aが参考として原文を引いています。

この法律において「酒類」とは、アルコール分一度以上の飲料(薄めてアルコール分一度以上の飲料とすることができるもの(略)又は溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいう。

「アルコール分一度以上」かつ「飲料」であることが要件です。 料理酒に塩を加えて飲めなくしてあるのは、この「飲料」から外すためです。

おまけ付きの商品は、二つの条件を両方満たすときだけ1%

食品と食品以外のものがあらかじめ一つの商品になっていて、その商品の価格だけが表示されているものを「一体資産」といいます。消費税法施行令第2条の3第1号が要件を定めています。

一体資産の譲渡の対価の額(略)が一万円以下であり、かつ、当該一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が三分の二以上のもの

「かつ」です。 片方だけでは足りません。税抜1万円以下という金額の条件と、食品が3分の2以上という中身の条件を、両方満たしたときにだけ商品全体が1%になります。

  • 菓子と玩具でできた食玩 … 二つを満たせば全体が1%(国税庁のQ&Aも「①及び②に該当する場合には」と条件付きで答えている)
  • 菓子より高価な専用容器に盛り付けた洋菓子 … 食品の割合が3分の2未満なので全体が10%

3分の2の判定は、売価ベースでも原価ベースでもよいとされています。なお、食品と食品以外の価格を別々に表示して売っている場合は、そもそも一体資産ではありません。 その場合はそれぞれの税率が適用されます。

同じ料理でも、渡し方で分かれる

段階3と4は「どう渡すか」の話です。同じ店の同じ商品でも、ここで税率が変わります。

渡し方税率理由
店内で食べる(イートイン)10%飲食設備のある場所で飲食させる役務
持ち帰る(テイクアウト)1%別表第一第一号イの括弧書きで外食から除外
そばの出前・宅配ピザ1%「顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けるだけ」
配達先で盛り付け・配膳をする10%ケータリング(ロ)
出張料理・料理代行(顧客の自宅で調理)10%同上
社員食堂・学生食堂10%飲食設備のある場所で飲食させる役務
学校給食・幼稚園の給食1%ロの括弧書きの例外(施行令第2条の4第2項)
コンビニ・スーパーのイートインスペース意思確認による店内飲食なら10%、持ち帰りなら1%

飲食設備は、飲食専用である必要がありません。 国税庁は「『飲食設備』とは、テーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備であれば、その規模や目的を問わない」としており、スーパーマーケットの休憩スペースも飲食設備に当たるとしています。屋台も、自分でテーブルや椅子を置いていれば10%です。

ただし、置いてあれば必ず飲食設備になるわけではありません。 同じQ&Aは「『飲食はお控えください』といった掲示を行うなどして実態として顧客に飲食させていない休憩スペース等や、従業員専用のバックヤード、トイレ、サッカー台のように顧客により飲食に用いられないことが明らかな設備については、飲食設備に該当しません」としています。掲示で飲食を断っている店では、ほかに飲食設備がなければ持ち帰り販売だけになり、意思確認も要りません。

判定は提供する時点で行われるため、店内で食べるものとして注文したあとで残りを持ち帰っても、その分は10%のままです。逆に、ハンバーガーとドリンクのセット商品はひとつの商品なので、ドリンクだけ店内で飲んで残りを持ち帰る場合、**セット全体が10%**になります。単品で別々に買えば、持ち帰るハンバーガーは1%、店内で飲むドリンクは10%に分かれます。

給食が1%になるのは、例外が七つ列挙されているから

ケータリング等は原則として対象外ですが、消費税法施行令第2条の4第2項が例外の施設を挙げています。七つあります。

  1. 老人福祉法の届出が行われている有料老人ホーム(一定の入居者に対するもの)
  2. サービス付き高齢者向け住宅(入居者に対するもの)
  3. 義務教育諸学校の施設で、設置者が児童・生徒の全てに対して行う学校給食
  4. 夜間課程を置く高等学校の夜間学校給食
  5. 特別支援学校の幼稚部・高等部の学校給食
  6. 幼稚園の施設で、設置者がその施設で教育を受ける幼児の全てに対して学校給食に準じて行う飲食料品の提供
  7. 特別支援学校に設置される寄宿舎で、寄宿する幼児・児童・生徒に対して行う飲食料品の提供

六番目に幼稚園が入っている点は見落とされやすいところです。 幼稚園は学校給食法の義務教育諸学校ではありませんが、「学校給食に準じて」行う提供として別に定められています。

三番目から六番目までは「全て」に対する提供であることが条件です。 幼稚園(六番目)にも「その施設で教育を受ける幼児の全てに対して」と書かれています。国税庁は、アレルギーなどの個別事情で全員に提供できなかった場合は対象のままとする一方、利用が選択制である学生食堂はこれに当たらないとしています。

そして、この七つに入っていないものは対象外です。 とくに全日制の高等学校の給食は入っていません。高校で例外になるのは四番目の「夜間課程を置く高等学校の夜間学校給食」と、五番目の「特別支援学校の高等部」だけです。保育所も七つに入っていません(認可保育所の給食費は、社会福祉法第2条第3項第2号の「保育所を経営する事業」として消費税法別表第二第七号ロの非課税になるため、そもそも8%ではありません)。

金額の基準もあります。国税庁のQ&Aは、上記の施設の設置者等が同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供について、次の基準を示しています。

期間一食当たりの対価の額一日の累計額
令和元年10月1日〜令和6年5月31日640円以下1,920円まで
令和6年6月1日〜令和7年3月31日670円以下2,010円まで
令和7年4月1日〜令和8年5月31日690円以下2,070円まで
令和8年6月1日〜730円以下2,190円まで
いずれも税抜。この金額基準の変更は、入院時食事療養費に係る算定基準の改正に伴うものです。累計額の計算方法をあらかじめ書面で定めている場合は、その方法によることとされています。

新聞は8%のまま残る

軽減税率の対象は飲食料品と新聞の二つです。閣議決定が1%とすると書いているのは飲食料品だけで、新聞には触れていません。

消費税法別表第一第二号は、新聞の要件をこう定めています。

一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する新聞(一週に二回以上発行する新聞に限る。)の定期購読契約(当該新聞を購読しようとする者に対して、当該新聞を定期的に継続して供給することを約する契約をいう。)に基づく譲渡

買い方2027年4月からの税率
定期購読している紙の新聞8%のまま
コンビニ・駅売店で1部だけ買う新聞10%
電子版10%
コンビニでの販売は「定期購読契約に基づくものではないため軽減税率の適用対象となりません」。電子版は「電気通信利用役務の提供」に該当し、「新聞の譲渡」に当たらないため対象外です。紙と電子版のセット販売は、対価の額を区分してそれぞれの税率を適用します。

この結果、2027年4月からは1%・8%・10%の三つが並びます。 いま消費税(国税)の税率は消費税法第29条に二つだけ置かれていて、標準税率が7.8%、軽減税率が6.24%です。この条文がどう改正されるかは、法案が示されるまで分かりません。

なお、第29条に二つしかないことと、実際に適用されている税率が二つであることは別です。国税庁「No.6303 消費税および地方消費税の税率」は「令和元年10月1日以後に事業者が行う資産の譲渡等および課税仕入れであっても、経過措置が適用されるものについては、旧税率(8%(消費税率6.3%、地方消費税率1.7%))が適用されることとなります」としており、標準10%・軽減8%とは別に、消費税率6.3%の旧税率がいまも残っています。税率が三つ並ぶこと自体は前例のない事態ではありません。 変わるのは、店頭の表示が1%・8%・10%に分かれることです。

【2026年9月10日 追記】1%にならない飲食料品が二つ加わりました

本記事の公開日と同じ2026年9月8日、内閣官房の「「給付付き税額控除」に関する国と地方の協議の場」(第3回)に、**「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱(案)」**が示されました。上の本文より一段細かいところまで書かれています。

まず税率です。1%の内訳が初めて示されました。

1 現下の物価の上昇に鑑み、令和9年4月1日から令和11 年3月31 日までの間に事業者が国内において行う飲食料品(現行の軽減税率の適用対象となっている飲食料品をいう。以下同じ。)の譲渡(以下「特例対象課税資産の譲渡」という。)及び保税地域から引き取られる飲食料品(以下「特例対象課税貨物」という。)について、消費税の税率を**0.78%**とする特例を創設する(地方消費税率と合わせて1%。以下「特例税率」という。)。

対象範囲は本記事の結論どおりです。 「現行の軽減税率の適用対象となっている飲食料品」と定義され、新しい線引きは作られていません。新聞についても、(注1)が「軽減税率の適用対象である飲食料品の範囲及び軽減税率が適用される飲食料品以外の品目(週2回以上発行される新聞の定期講読分)に係る消費税率については、現行制度を維持する」と明記しました。

ただし、本記事に無かったものが一つ出てきました。範囲ではなく「取引」で除かれるものです。

先に払ってしまった分は、4月以降でも8%のまま

大綱(案)は、次の二つを特例対象課税資産の譲渡から除外して、特例税率を適用しないとしています。

2 次に掲げる定期供給契約及び通信販売による飲食料品の譲渡については、特例税率を反映した契約変更等が困難な事例が生じること等が想定される。

これを踏まえ、特例対象課税資産の譲渡から除外して、特例税率を適用しないこととする。

(1)令和9年1月1日前に締結した定期供給契約(不特定かつ多数の者に定期的に継続して供給する契約をいい、特例税率を前提とするものを除く。)に基づき同年4月1日前に対価の領収をしている同日以後に行われる飲食料品の譲渡(当該対価を領収している部分に限る。)

(2)通信販売の方法により令和9年1月1日前にその販売条件の提示(特例税率を前提とするものを除く。)が行われ同年4月1日前に申込みを受けた同日以後に行われる飲食料品の譲渡

同じ商品でも、契約と支払いの時期によって税率が分かれることになります。

買い方2027年4月1日以後に届く分
店頭で買う1%
2027年1月1日以後に契約した定期便1%
2027年1月1日前に契約し、3月31日までに代金を払った定期便8%のまま(払った部分に限る)
2027年1月1日前に契約したが、代金は届くつど払う定期便1%
2027年1月1日前に条件が示され、3月31日までに申し込んだ通信販売8%のまま
(1)は「当該対価を領収している部分に限る」と括弧書きで限定されています。契約の日だけでは決まりません。 令和9年1月1日前に契約していても、4月1日以後に届く分の代金を4月以後に払うのであれば、その部分は特例税率の対象です。逆に、年内に1年分を前払いしてしまうと、4月以後に届く分まで8%のままになります。また(1)(2)とも「特例税率を前提とするもの」は除外の対象外です。1%になることを織り込んで結んだ契約なら、1%が適用されます。

家計の側から見ると、これは「前払いすると損をする場合がある」という話です。 生協や食材宅配の定期便、水の定期配送、頒布会のように、継続して届くものを年内にまとめて払う契約が当てはまり得ます。2027年3月31日までに払ってしまった分は、4月以後に届いても税率が下がりません。

なお、これは大綱の「案」に書かれた内容です。法律になったときに同じ形で残るかは、条文が出るまで分かりません。

値札とレジの金額が、切り替わりの前後2か月ずれることがあります

もう一つ、店頭で気づく変化が書かれています。総額表示(税込価格の表示)の義務は残りますが、直ちに対応することが困難な事情がある場合に限り、古いほうの税率に基づく税込価格を表示してよいとされました。

(1)令和9年4月1日から同年5月31 日まで及び令和11 年2月1日から同年3月31 日まで 軽減税率(8%)に基づく税込価格

(2)令和9年2月1日から同年3月31 日まで及び令和11 年4月1日から同年5月31 日まで 特例税率(1%)に基づく税込価格

2027年の側を取り出すと、こうなります。

期間実際に払う税率値札に出ていてよい税込価格
2027年2月1日〜3月31日8%1%に基づく価格(値札のほうが安い)
2027年4月1日〜5月31日1%8%に基づく価格(値札のほうが高い)
条件は「その表示する特例表示価格……が本来表示すべき税込価格であると誤認されないための措置を講じている場合」です。2027年4月からの2か月は、値札より安い金額でレジを通る店があるということになります。「思ったより下がっていない」と感じたときは、値札ではなくレシートの税率区分で確かめてください。

この大綱は「案」です。 日付欄は「令和○年○月○日」のままで、「(地方と協議中)」と付された項目も多く残っています。閣議決定もされていません。

【2026年9月11日 追記】 2026年9月11日の第4回の協議の場で、大綱(案)が新しい版に差し替わりました。9月8日版と全文を突き合わせたところ、この節で引用した対象範囲・特例税率を適用しない取引・総額表示の特例の期間は、いずれも変わっていません。 加わったのは、レジシステムの移行・改修を行う中小企業等への支援と、国と地方の役割分担に関する文言です。日付欄が「令和○年○月○日」のままであることも変わっていません。

実績で計算すると、食料費のうち1%になるのは4分の3

家計調査の実績値を、税率ごとに振り分けます。世帯主の年齢階級別に、食料の年間支出額を四つに分けました。

1,042,944円30〜39歳1,244,308円40〜49歳1,193,718円50〜59歳
30〜39歳40〜49歳50〜59歳
1%になる(酒類・外食以外の食料)754,020915,850910,220
学校給食(大半が1%)16,22625,7006,809
10%のまま(酒類)28,81343,60949,188
10%のまま(一般外食)243,885259,149227,501
合計1,042,9441,244,3081,193,718

上の2色(酒類と一般外食)が、引き下げの効かない部分です。3本とも食料費の4分の1前後を占めていて、年齢が変わってもこの割合はあまり動きません。動くのは下から2番目の学校給食で、40代がいちばん厚く、50代でほとんど消えます。この帯は大半が小中学生の給食ですが、1%にならない高校生・保育所の分も混ざっています(後述)。

1世帯当たり年間の食料支出の内訳(総務省統計局「家計調査(家計収支編)詳細結果表 第4-6表」2025年・二人以上の世帯のうち勤労者世帯・品目分類)。税率は現行の軽減税率の区分にしたがって色分けした。

税率ごとに合計すると、次のようになります。

世帯主の年齢食料合計1%になる部分食料に占める割合10%のまま
30〜39歳1,042,944770,24673.9%272,698
40〜49歳1,244,308941,55075.7%302,758
50〜59歳1,193,718917,02976.8%276,689
学校給食を1%側に置いた場合の数字です。学校給食には1%にならない分も含まれるため、この列は上振れしています(後述)。

どの年齢層でも、食料費の4分の1前後は10%のまま残ります。

税抜価格が変わらないとすると、減る額は次のとおりです。

1%になる部分 × (1 − 1.01 ÷ 1.08)

40〜49歳:941,550円 × 0.064815 = 61,026円(年)
                            =  5,086円(月)
世帯主の年齢減る額(年)減る額(月)
30〜39歳49,923円4,160円
40〜49歳61,026円5,086円
50〜59歳59,437円4,953円

食料費の総額に対して見ると、40〜49歳で4.90%です。 税込価格が6.48%下がるはずの引き下げが、家計の食費全体では4.90%にしかなりません。差の分は、10%のまま残る302,758円に効かなかった分です。 この302,758円は10%の税込価格なので、かりにここも1%まで下がったとすれば、下がり幅は 1 − 1.01 ÷ 1.10 = 8.18%、額にして24,771円です。10%のものほど下がり幅は大きいのに、そこには効きません。

新聞(8,179円)と上下水道料(66,583円)は、この表のどこにも入りません。 どちらも今回の引き下げの対象外だからです。

学校給食を「外食」として外すと、答えを間違える

この計算でいちばん間違えやすいのが、学校給食の扱いです。

家計調査の分類では、学校給食は「食料」の中の「外食」に含まれます。収支項目分類表の定義はこうです。

原則として、飲食店における飲食費。飲食店(宅配すし・ピザを含む。)により提供された飲食物は、出前、宅配、持ち帰りの別にかかわらず、全て「外食」に分類する。また、学校給食も含む

ところが消費税では、出前・宅配も持ち帰りも1%側で、学校給食も多くは1%側です。 「食料 − 酒類 − 外食」という素直な引き算をすると、1%対象を少なく見積もることになります。

40〜49歳の世帯で、学校給食25,700円を外食として除いてしまうと、1%対象は941,550円ではなく915,850円になります。減る額は1,666円少なく出ます。

ただし、学校給食25,700円を丸ごと1%側に置くのも正確ではありません。 家計調査の「学校給食」の定義は次のとおりです。

幼稚園児、小学生、中学生及び高校生の給食費。3歳以上の給食費(保育園保育所)も含む。3歳未満の給食費(保育園保育所)は396に分類する。

このうち全日制高校の給食と保育所の給食は、施行令の七つの施設に入っていません。 前節のとおり、高校で例外になるのは夜間課程と特別支援学校の高等部だけです。家計調査はこの内訳を公表していないので、学校給食25,700円のうちいくらが1%になるかは分けられません。

さらに、一般外食259,149円の中にも、出前・宅配・持ち帰りが混ざっています。 家計調査ではこれも分離できません。したがって上の表の数字は、上下どちらにも振れます。

40〜49歳・学校給食の置き方1%になる部分食料に占める割合減る額(年)
全額を1%側に置く(上の表)941,55075.7%61,026円
全額を10%側に置く915,85073.6%59,361円

実際の値はこの二つの間にあり、一般外食に混ざる出前・宅配の分だけ上に振れます。 学校給食は食料費の2%程度なので、振れ幅は年1,666円までです。本記事は、学校給食の大半が小中学生の給食であることを踏まえ、全額を1%側に置いた数字を本文に載せています。

一般外食のうち店内で食べていない分がどれだけあるかは、公表された統計からは分かりません。 ここは本記事では確定させていません。

あなたの数字で確かめる手順

自分の家計で計算するには、次の順で進めます。

1. 直近1か月分のレシートを、税率で分ける。

いま8%が適用されているものを集めます。インボイス(適格請求書・適格簡易請求書)には、軽減税率の対象である旨と、税率ごとに区分した合計額を書くことが法律で決まっています(消費税法第57条の4第1項・第2項)。レシートの「8%対象」の合計額が、そのまま1%になる部分です。 品目ごとの判定を自分でやる必要はありません。

2. 月額に7 ÷ 108 を掛ける。

(8%と印字された税込金額の合計) × 7 ÷ 108 = 1か月で減る額

税抜価格が変わらないという前提で、税込価格が6.48%下がる計算です。8%と印字された金額に直接掛けられるので、税抜に戻す必要はありません。

3. 12倍して年額にする。

4. 8%と印字されていないものは、いくら合計しても影響しません。 外食・酒類・日用品・水道料金・電気代は、いまも引き下げ後も10%です。新聞は定期購読なら8%のまま残ります。

5. 上の2の結果を、いまの食費と並べて見る。

家計調査の40〜49歳の世帯では、食料費1,244,308円に対して減るのは61,026円、率にして4.90%でした。外食の比率が高い家庭ほど、この率は下がります。

まとめ

  • 2026年(令和8年)8月5日の閣議決定は「軽減税率の対象となっている飲食料品に係る消費税率を1%とする」と書いている。対象範囲は新しく作られない。いま8%のものが1%になる
  • 閣議決定はこれとあわせて、**「飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲内で」所得に連動した給付を令和9年度に導入し、「全体として飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化を実現する」**としている。本記事の計算は税率引下げの分だけで、この給付は含んでいない
  • 2026年9月10日時点で、根拠となる法律はまだ成立しておらず、財務省が公表している国会提出法案の一覧にも消費税率に関する法律案は無い
  • 【追記】2026年9月8日に示された大綱(案)は、範囲は変えない一方で、取引の時期で除かれるものを二つ置いた。 令和9年1月1日前に締結した定期供給契約で令和9年4月1日前に代金を払ってしまった分と、令和9年1月1日前に条件が示され令和9年4月1日前に申し込んだ通信販売は、4月以後に届いても8%のまま
  • 【追記】1%の内訳も示された。 消費税0.78%と地方消費税を合わせて1%。新聞は(注1)で「現行制度を維持する」と明記された
  • 【追記】総額表示の特例が置かれた。 2027年2月1日〜3月31日は1%に基づく価格、2027年4月1日〜5月31日は8%に基づく価格を表示してよい場合がある。切り替わりの前後2か月は、値札とレジの金額がずれることがある
  • 判定は四段階。食品表示法の食品か/酒税法の酒類でないか/飲食設備で飲食させる役務でないか/ケータリング等でないか。四つすべてを通ったものだけが1%になる
  • 食べ物なのに10%(水道水・本みりん・医薬部外品の栄養ドリンク・ペットフード)と、食べ物でないのに1%(食品添加物)が、どちらも出る
  • 同じ商品でも渡し方で変わる。 持ち帰り・出前・宅配は1%、店内飲食とケータリングは10%
  • 小中学校と幼稚園の給食は1%。 消費税法施行令第2条の4第2項に例外の施設が七つ列挙されており、三番目から六番目までは「全て」に対する提供であることが条件。この七つに入っていない全日制高校の給食と保育所の給食は1%にならない。 学生食堂も選択制なので対象外
  • おまけ付きの商品は、税抜1万円以下かつ食品が3分の2以上の両方を満たすときだけ全体が1%
  • 新聞は8%のまま残る。 2027年4月からは1%・8%・10%の三つの税率が並ぶ
  • 家計調査2025年の実績では、世帯主40〜49歳の勤労者世帯の食料費1,244,308円のうち、1%になるのは941,550円(75.7%)。減る額は年61,026円、月5,086円
  • 食料費に対する下がり幅は4.90%。税込価格の下がり幅6.48%との差は、10%のまま残る302,758円に効かない分
  • 家計調査の「外食」には出前・宅配・持ち帰りと学校給食が含まれる。税法の「外食」より広いので、そのまま引き算すると1%対象を少なく見積もる
  • 逆に家計調査の「学校給食」には高校生と3歳以上の保育所の給食費も含まれ、これらは1%にならない。学校給食を全額10%側に置くと1%対象は915,850円(73.6%)・減る額は年59,361円で、実際の値はこの二つの間にある

よくある質問

食料品の消費税1%は、何が対象になりますか。

「軽減税率の対象となっている飲食料品」がそのまま対象です。2026年(令和8年)8月5日に閣議決定された「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針」は「令和9年4月1日から2年間、軽減税率の対象となっている飲食料品に係る消費税率を1%とする」と書いており、対象範囲を新しく定義し直してはいません。したがって範囲は今の軽減税率と同じで、消費税法別表第一第一号の「飲食料品」、すなわち食品表示法に規定する食品から酒税法に規定する酒類を除いたもの(および一定の一体資産)です。ここから、飲食設備のある場所で飲食させる役務の提供(いわゆる外食)と、相手方が指定した場所で加熱・調理・給仕等を伴う提供(ケータリング・出張料理)が除かれます。つまり「食料品が安くなる」というより、「いま8%で買っているものが1%になる」と理解するのが正確です。ただし範囲とは別に、取引の時期で除かれるものがあります。2026年9月8日に示された大綱(案)は、令和9年1月1日前に締結した定期供給契約に基づき令和9年4月1日前に対価を領収している譲渡(領収している部分に限る)と、通信販売の方法により令和9年1月1日前に販売条件の提示が行われ令和9年4月1日前に申込みを受けた譲渡について、「特例対象課税資産の譲渡から除外して、特例税率を適用しないこととする」としています。年内に前払いした定期便は、4月以後に届いても8%のままです。なお、この引き下げの根拠となる法律は2026年9月10日時点でまだ成立していません。また閣議決定は、この引き下げとあわせて「飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲内で」所得に連動した給付を令和9年度に導入し、「全体として飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化を実現する」としています。

外食とお酒は、なぜ1%にならないのですか。

もともと軽減税率の対象ではなく、標準税率10%だからです。消費税法別表第一第一号は「飲食料品」を、食品表示法に規定する食品のうち「酒税法に規定する酒類を除く」ものと定義しています。酒類は定義の段階で外れているため、8%だったことが一度もありません。外食は、同号イが「飲食店業その他の政令で定める事業を営む者が行う食事の提供(テーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいい、当該飲食料品を持帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡は、含まないものとする。)」を対象から除いているためです。したがって今回の引き下げは「8%を1%にする」措置であって、10%のものを下げる措置ではありません。外食と酒類は、引き下げの前後を通じて10%のまま変わりません。

テイクアウトや出前は1%になりますか。

なります。消費税法別表第一第一号イは、外食から除かれるものとして「当該飲食料品を持帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡は、含まないものとする」と括弧書きで定めています。持ち帰りは「食事の提供」ではなく「飲食料品の譲渡」なので、軽減税率の対象、つまり1%になります。出前・宅配も同じです。国税庁のQ&A(個別事例編)は「そばの出前、宅配ピザの配達は、顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けるだけであるため、『飲食料品の譲渡』に該当し、軽減税率の適用対象となります」としています。ただし、届けた先で盛り付けや配膳を行う場合はケータリングに当たり、10%になります。同じ店の同じ料理でも、店内で食べれば10%、持ち帰れば1%です。判定は提供する時点で行うので、店内で食べるつもりで注文したものを後から持ち帰っても、10%のままです。

学校給食や幼稚園の給食はどうなりますか。

小中学校と幼稚園の給食は1%になります。ケータリング等は原則として軽減税率の対象外ですが、消費税法施行令第2条の4第2項が例外となる施設を7つ挙げており、そこに学校給食が入っています。具体的には、義務教育諸学校(小学校・中学校・義務教育学校・中等教育学校の前期課程・特別支援学校の小学部および中学部)で設置者が児童・生徒の全てに対して行う学校給食、夜間課程を置く高等学校の夜間学校給食、特別支援学校の幼稚部・高等部の学校給食、そして学校教育法第1条に規定する幼稚園で設置者がその施設で教育を受ける幼児の全てに対して「学校給食に準じて」行う飲食料品の提供です。有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の食事、特別支援学校の寄宿舎の食事も同じ7つに含まれます。注意すべきは、この7つに入っていないものは対象外だという点です。全日制の高等学校の給食は入っていないため10%のままで、高校で例外になるのは夜間課程と特別支援学校の高等部だけです。保育所も7つに入っていません(認可保育所の給食費は社会福祉事業として消費税法別表第二第七号ロの非課税になるため、そもそも8%ではありません)。また金額の基準があり、国税庁のQ&Aによれば令和8年6月1日以後は一食当たり税抜730円以下、一日の累計額2,190円までとされています。学生食堂は利用が選択制で「児童又は生徒の全て」に対する提供ではないため対象外で、10%のままです。

新聞も1%になりますか。

なりません。ここが最も誤解されやすい点です。軽減税率8%の対象は「飲食料品」と「新聞」の2つですが、閣議決定が1%とすると書いているのは飲食料品だけで、新聞には触れていません。したがって新聞は8%のまま残ります。その結果、2027年4月からは1%・8%・10%という3つの税率が同時に存在することになります。なお8%の対象となる新聞は、消費税法別表第一第二号により「一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する新聞(一週に二回以上発行する新聞に限る。)の定期購読契約」に基づく譲渡に限られます。コンビニで1部だけ買う新聞は定期購読契約に基づかないため10%、インターネット配信の電子版は「電気通信利用役務の提供」に当たるためやはり10%です。同じ新聞社の同じ紙面でも、契約の形によって税率が3通りに分かれます。

みりんや料理酒、ノンアルコールビールはどうなりますか。

酒税法上の酒類に当たるかどうかで分かれます。酒税法第2条第1項は「酒類」を「アルコール分一度以上の飲料」と定義しています。本みりんはこれに当たるので10%のままです。一方、国税庁のQ&A(個別事例編)は「料理酒などの発酵調味料(アルコール分が一度以上であるものの塩などを加えることにより飲用できないようにしたもの)やみりん風調味料(アルコール分が一度未満のもの)については、酒税法に規定する酒類に該当せず、『飲食料品』に該当しますので、その販売は軽減税率の適用対象となります」としています。したがって料理酒とみりん風調味料は1%です。ノンアルコールビールと甘酒(アルコール分1度未満のもの)も酒類に当たらないため1%になります。酒類を原料とした菓子も、その菓子自体が酒類に該当しなければ1%です。棚の並びではなく、アルコール分と飲用できるかどうかで決まります。

ミネラルウォーターは1%なのに、水道水は10%なのですか。

そのとおりです。国税庁のQ&A(個別事例編)は、ミネラルウォーターなどの飲料水は食品に該当し軽減税率の対象となるとしたうえで、「他方、水道水は、炊事や飲用のための『食品』としての水と、風呂、洗濯といった飲食用以外の生活用水として供給されるものとが混然一体となって提供されており、例えば、水道水をペットボトルに入れて、人の飲用に供される『食品』として販売する場合を除き、軽減税率の適用対象となりません」としています。飲むためだけに供給されているわけではない、というのが理由です。同じ考え方で、氷も食用氷は1%、保冷用の氷やドライアイスは10%に分かれます。栄養ドリンクは医薬部外品であれば食品表示法の食品から除かれるため10%、医薬部外品でないものは1%です。特定保健用食品と栄養機能食品は医薬品等に当たらないので1%です。いわゆる健康食品・美容食品も、医薬品等に該当しないものであれば1%になります。

おまけ付きのお菓子は、おまけの分も1%になりますか。

条件を満たせば、おまけを含めた全体が1%になります。食品と食品以外のものがあらかじめ一つの商品になっていて、その商品の価格だけが表示されているものを「一体資産」といいます。消費税法施行令第2条の3第1号は、一体資産のうち「一体資産の譲渡の対価の額……が一万円以下であり、かつ、当該一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が三分の二以上のもの」を飲食料品に含めています。税抜1万円以下で、かつ食品部分が3分の2以上、という2つを両方満たす必要があります。菓子と玩具でできたいわゆる食玩について、国税庁のQ&Aは「ご質問の商品が①及び②に該当する場合には、『飲食料品』に含まれることから、その販売は『飲食料品の譲渡』に該当し、軽減税率の適用対象となります」としています。食玩だから当然に対象になるのではなく、その商品が2つを満たすかどうかで決まります。逆に、菓子より高価な専用容器に盛り付けた洋菓子は食品部分が3分の2未満になるため、全体が10%になります。なお、価格を別々に表示して売っている場合は一体資産ではなく、それぞれの税率が適用されます。

出典

制度の内容は改正されることがあります。判断の際は必ず出典元の最新情報をご確認ください。